どうもけいぱぱです。
前回に続き「問題解決の論理的思考法」についてです。
前回は「問題と課題」の言葉の定義についてお送り致しました。
2回目の今回は、
「問題解決プロセスと問題解決がうまくいかない理由」
「問題解決のスキルとしての論理的思考」についてご紹介します。
少しでも職場内での「問題解決」のヒントになれば幸いです。
それでは宜しくお願い致します。
- 「問題解決プロセスと問題解決がうまくいかない理由」
- 「問題解決のスキルとしての論理的思考」
問題解決プロセスと問題解決がうまくいかない理由
問題解決にはプロセスがある
私たちが、富士山の頂上を目指して登る時、例えば5合目までは車で行き、6合目、7合目、
そして8合目……と順にプロセスを踏んで登ります。
なぜなら、ヘリコプターでも使わない限り一気に頂上まで登ることはできないからです。
しかし、私たちは日頃、問題を解決したい時、何故か“一気に”結論にたどり着きたい、
解決したい、と考えがちです。
しかし、問題解決においての“ヘリコプター”はありません。
問題解決にはプロセスがあり、私たちは意識するかしないかは別にして、
ほぼ下図のようなプロセスを踏んでいるのです。
(あるべき姿・目標・基準に照らして)
1.現状(状況)から問題を認識する→問題発生
2.現状分析、課題の明確化→課題形成
3.目指すべき目標・ゴールを設定する
4.実行計画の策定
5.計画を実行する
6.結果を検証し、ナレッジ化する
私たちが問題解決にあたるとき、意識してこのプロセスを踏むことは通常ありません。
それゆえに、登山のようにプロセスを順序よく踏んで、頂上(結論)に至るのではなく、
各プロセスを行ったり来たりしているのが現状です。
ところが、「問題解決に優れた人」は、実は、意識してこのプロセスを踏んでいるのです。
問題解決上のよくある問題
ビジネスの現場は常に問題解決の連続であり、しかもこれらの問題は、常にうまく解決できるとは限りません。
弊社でも問題解決スキル上でこんな声をよく上がります。
・表面的な理解にとどまり、分析が甘い
・自ら問題・課題を特定できない
・指示された課題をこなせば済んだと思っている
・なぜそのような結論に至ったのか、説明を聞いてもよくわからない
……などなど
問題解決がうまくいかない理由
問題解決に思考プロセスがあるとすると、こうした問題は、思考プロセスのどこで起きているのでしょうか。
また、何故こうしたことが起きるのでしょうか。
問題解決の思考プロセスをたどると、多くは問題認識から課題形成へのプロセスと、
課題から何らかの結論(目標・ゴール・実行策など)を導き出すプロセスに問題があるように思われます。
また、そもそも、問題を認識するプロセスや視界が大きく関係している場合もあります。
私たちは情報、経験、知識を活用して、結論を導き出しますが、
その過程で“考える(思考)”という行為を行っています。
問題解決がうまくいかない原因の一つは、例えていえば、
この思考過程に“思考の雲”がかかっているから、ということがいえます。
▼問題を認識できない
→雲の中で周りが見えなくなっている。自分の立ち位置がわからなくなっている
▼現状分析、課題形成ができない
→事実や情報をもとに考える筋道がわからず、思考の雲の中で迷ってしまう
▼結論が出るまでに時間がかかる
→結論を出すための筋道(手順)を持っておらず、思考の雲の中をさまよう
▼結論の理由・根拠がわからない
→結論を出すための筋道(手順)を持っておらず、説明を求められてもその根拠・理由が説明できない。
つまり、相手から見ると、思考過程がブラックボックス化している
“思考の雲”に例えて言えば、まさにこのようなことが、思考過程で起きていると言えるのです。
問題解決のスキルとしての論理的思考
羅針盤としての論理的思考
“思考の雲”に迷わされずに周りの状況が正しく認識できる/自分の立ち位置がわかる/
“思考の雲”の中を迷わず進むことができる/どのような思考過程を経てその結論に至ったのかを、
誰でも理解できるよう、明確に説明できる……。
最後にそのための手立てをご紹介致します。
雲の中を進む飛行機のレーダー、大海を進む船舶の羅針盤、などに相当するツールとして、
“思考の雲”の中を迷わず進むためのツールがあります。それが「論理的思考」をベースとしたものです。
論理的思考とは、主に次の3つのKey Wordで言い表せます。
1.「より深く」考える、「より広く」考える
2.分けて考える
3.筋道を立てて(“軸”を意識して)考える
論理的思考とは、言い換えれば「ステップ」を踏んで考えていくことといえます。
また、先に述べた問題解決の最初のプロセスは“問題を認識”し、そして“課題を形成する”でしたが、
この段階で、より深く考え、より広く考えて、問題認識~課題形成を行わないと、
その後のプロセスでせっかくステップを踏んで考えても、有効な結論にたどり着くことが難しくなります。
現象面だけ捉えて問題を抽出し、その解決を図って終わりとする。
つまりその現象の起こった根本的な原因まで踏み込んで考え、問題形成しない。
あるいは、問題形成~課題解決において、企業の内部事情だけしか考えず、顧客の視点で考えない。
CSR(企業の社会責任)やコンプライアンスの視点が欠如してしまう……。
最近よく起きる企業の不祥事も、問題認識~課題形成の段階に問題がある、といっても過言ではありません。
まさに、論理的思考の最初の第一歩は「より深く、より広く考える」ことにあるのです。
以上が2回に分けてお送りした「問題解決の論理的思考法」となります。
改めて少しでも職場内での「問題解決」のヒントになれば幸いです。
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